東京大学 文科三類

阿部 飛雄馬さん盛岡第一高校卒

まずは、昨年急逝なさいました小坂校長のご冥福をお祈り申し上げます。また、浪人という道を選んだ自分の背中を押し、中ゼミに通わせてくれた両親に感謝したいと思います。

月日が経つのは早いもので、初めて中ゼミに来た時からもう1年が経過しました。これほど1年が短く感じられるのは、中ゼミでのこの1年が非常に濃密なものであったからだと思います。高校時代の私は、本当に実力もなく、ただやみくもに勉強するばかりでした。そして見事に落ちました。浪人するに当たって、私は「懺悔ノート」を作成し、落ちた原因を徹底的に追求して改善点を洗い出しました。同じ失敗を繰り返さないためのこの作業が、今春の成功につながったのだと思います。気持ちを入れ替え、「スタートアップ講座」から受講し、通常授業で前期はとにかく基礎固めを徹底しました。基礎はできていると自負していた数学は授業テキストと中島先生との個別添削でとことん演習を繰り返し、追加で「Foucus Gold」の演習問題を解きまくって、とにかく多くの解法を身につけることに専念しました。また、校長講話で「繰り返し」の重要さを知り、数学に関しては同じ問題を予習・授業・当日の復習・翌日の復習・一週間後の復習・長期休みでの復習の計6回は繰り返して解くよう努めました。元々数学は入試問題レベルではあまり得意ではありませんでした(現役時二次試験9点)が、前期、後期を通じ上述の通りの勉強スタイルを貫き、後期には過去問を中心に演習したおかげで、今年の二次試験では4問中2完2半をすることができました(合っているかどうかは別)

数学以上にこの1年で飛躍的に実力がついたと感じられたのは、国語です。元々現代文は勉強方法もよく分からず、問題の解き方も不明でかなり不安定な科目でした。しかし、担任の須藤先生による授業で要素の抜き出し方、点の取り方を徹底的に教え込まれ、さらに授業内容の添削、夏頃から本格的に始めた個別添削で、解いて、添削を繰り返すうちに不明瞭だった解き方が次第に自分の中で公式化されていき、「答えは全て本文中にある」という言葉の意味が分かるようになりました。現代文で身についた記述力は古文・漢文にも活かされ、苦手意識が強く避けたい衝動に駆られていた国語は、今年の二次試験では全教科のうち一番自信を持って受けられる教科となるまでに実力がつきました。

現役時代に一番やらずに後悔した世界史は、とにかくじっくりと知識を詰め込んでいくことに努めました。何回も教科書を読み、授業を中心に流れと知識の確認を丁寧にやっていけば、着実に実力をつけていける教科だと分かりました。また、山火先生とのマンツーマンの論述指導では、解いたその場で添削をしていただくというやり方が自分にとって非常にやりやすく、すぐに知識の修正、欠けている知識の補正、論の流れなどを指導していただけたので、本当に力になりました。山火先生には二次期に毎日のように論述指導をしていただきました。重ねてお礼申し上げます。現役時の二次試験で良い点数が取れた日本史は逆に少々苦しみました。知識を詰めても東大の場合点にならない、問題史料を見ても分からない点…と悩みましたが、田中先生の非常にユニークで面白くためになる授業で歴史の「流れ」や「因果関係」を意識した勉強に努め、加えて田中先生に論述指導をしていただき、教科書の内容を網羅しました。田中先生の熱烈な指導のおかげで東大の問題に対する対応力がつき、二次試験本番では分からない問題がないほどスラスラと解けるようになりました。田中先生にも毎日のように追い込みをかけていただき、深く感謝しております。

英語に関してはあまり「英語力」自体がついた、という実感はありませんが、阿部先生を始め英語科の先生方の指導のおかげで、東大の英語に対する対応力、特に細かい知識や用法・間違えやすいポイントなどが身につき、しっかりとした基礎が築かれました。英作文の添削などの相談も気軽に受けていただけたので、自分のペースを維持して勉強できました。勉強の成果はすぐに現れ、東大模試は夏にAC、秋にABで、現役時EEEDEに比べてもはるかに飛躍しました。

センター期の話に移ります。冬期講習では苦手なセンター現代文だけ受講し、あとは12月一杯は二次対策を絶やさず、講習のタームに合わせてセンター:二次を5:5→6:4→7:3→8:2で比重を変化させていき、1月に入ってからはセンターに専念しました。目標は840点で、12月までは760~780前後を浮遊しており、加えて2・3週間センターばかりやったことにより精神が疲弊、センター直前は完全にセンターの勉強に飽きてうんざりしていました。しかし須藤先生に国語のピーキングを伝授していただき、本番では大成功、現役時から90点以上伸びて自信をもって二次対策に切り替えられました。

二次期にはとにかく演習。特に阿部先生の英語の演習問題が本番より重めで丁度良く、本番が楽に感じられました。現役時と違い、やるべきこと、やりたいこと、やっておいた方が良いことを全てこなし、一切のやり残しがなく二次試験に臨めました。国語・数学で快進、2日目の日本史、世界史、英語は新傾向の問題でしたが、直前の演習問題の重さに比べればたいしたことはなく、最高の気分で終えました。

しかし自己採点、再現答案作成でケアレスミスが多数発覚、リスニングも18点とふるわず、合格発表までの約2週間、日に日に自信は喪失していき、直前には「間違いなく落ちたな」と思うようになりました。東大への気持ちを半ば失い、しっかり後期対策を行った結果、なぜか合格。本当に、落ちたと思っていたので正直信じられず、何度も番号を確認しました。中ゼミで合格発表を見たので、先生方の喜びを目の当たりにすることになり、感謝の気持ちがあふれてきました。

今年、私が第1志望である東京大学に合格できた最大の要因は、「受験は習慣とリズム」という小坂校長の言葉を実践に移したことだと思います。中ゼミでは高校までと違って時間割が完全に固定されていたため、どの時間に、どの教科を、どのくらい、というおおまかな計画が立てやすく、自分なりのリズムを確立できました。また、非力な自分は自分の力だけでは勉強に身を入れることができなかったため、平日は毎日朝8時から夜8時まで中ゼミに依存、土曜は朝8時半から5時まで中ゼミ、その後8時までアイーナで勉強、日曜は朝8時半から5時まで中ゼミにいた後、帰って走る、という生活をセンター前日も含め二次試験前々日まで貫き通しました。その結果、秋口に楽しいも苦しいも一切の感情が消え、ただ淡々と勉強をこなす”無”の境地に達しました。「習慣とリズム」こそが受験に勝つための必要十分条件であると今強く実感しています。高校時代の私には、浪人など全く頭にありませんでした。まして、自分が浪人することになるとは思いも寄りませんでした。中ゼミに通う前は、浪人という選択が正しいものなのか不安がありましたが、今では最良の判断をしたと思っています。

私には、「東大で箱根駅伝に出る」という夢があります。東大に合格することはその夢の前提にすぎません。その夢のスタートラインに立たせてくれた両親、中ゼミの先生方には本当に感謝しています。もっともっと広い世界を見て、視野を広げ、誰も通ったことのない新たな道を切り拓いていけるような人間に成長し、この恩を返したいと思います。ありがとうございました。

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