2020年度 喜びの声【国公立大学】

東京工業大学 理学院

髙橋 太星 さん盛岡第一高卒

 現役のときは圧倒的に力が足りず、余裕の不合格でした。手ごたえも全くなかったので受験本番が終了した直後に浪人を決め、合格発表の前から勉強を始めました。特に数学の勉強に力を入れました。東工大の配点750点のうち300点が数学なので、まず数学が得意にならないと話にならないと思い、気の抜けやすい3月にひたすら数学の問題を解きまくりました。そして一年を通して受験勉強の約半分は数学であったと思います。

 勉強していくうちに、発想力、思考力、計算力がどんどんと伸びていきましたが、それは数学以外にも影響しました。毎日の勉強を論理的に分析し、明日やるべきことなどを自分自身で考えるようになり、勉強法についてもかなり研究して取り組んだと思います。そのため、予備校のカリキュラムに委ねることが嫌になり、どのような授業を受ければよいのか分からなくなったこともありました。そんな時に支えてくださったのが吉田副校長先生でした。僕は正直にこの事を話すと「授業は利用するものであり、理由なしに予備校に来るのはダメ」というアドバイスをいただきました。これを参考に僕の勉強スタイルは「自学自習メインで授業はサブ」という自由気ままなものに落ち着きました。そのため授業でしか得られないもののみ授業で吸収し、それ以外は授業中でも自分の勉強時間にあてていました。だったら予備校に通う意味がないじゃん、と言いたくなるかも知れませんが今思えば他にも様々な面で予備校に支えられたと思います。まずは自学自習のサポートです。勉強していれば必ず解けない問題かつ背景も曖昧というものに出くわします。そのようなときは、「自分で調べ、考えた後」に先生方に質問しに行きました。その時は、受験生の目線で解説していただいたので、自然な発想にもつながり、深く理解することができました。

 次は友達との共有です。僕は他人の考え方のプロセスがとても気になる人だったので、問題を解いた後は友達と共有し、様々な視点で考えるようにしていました。また何度も重ねていくうちに勉強が楽しくなったのも予備校で出会えた仲間のおかげです。このように予備校ならではの長所を生かし、自分の勉強に取り組めたと思っています。高校と違い本当に自分のやりたいように勉強をやらせていただいたので、最後の最後まで心が折れることがなくゴールまで走りつづけることができました。自分を支えてくださった全ての方々に感謝するしかないです。本当にありがとうございました。

 この後は自分がやってきた勉強法を「具体的」に書こうと思います。

 まずは数学です。数学を勉強する上で意識したことは3つあります。1つ目は基本問題を徹底することです。僕は青チャートの例題とExerciseを完璧にできるまで繰り返しました。その後は考える力、思考力を養うために、わからない問題でも答えを見ずにギリギリまで考えるようにしました。それでもダメなら日をあけてもう一度トライするようにしてそこでダメなら答えを見るというようにとにかく自分で解答を作ることを心がけました。これが2つ目のポイントです。3つ目は計算ミスをとにかくしないことです。スピードを上げてミスするくらいなら自分がミスをしないで解ける速度で取り組むことが大切です。スピードはこれらを意識しているうちに自然とつくものなので数学はまず正確性を重視するべきだと思います。

 次に物理です。問題演習は誰でもやると思いますが、それに加えて教科書などを読み、公式の本心を理解することでより広く応用させることができると思います。(ちなみに僕は微積物理も使いこなせるようにしました)とにかく少しでも自分の言葉で説明できない題材があったらすぐに先生方に質問しに行くということを常に意識して勉強していました。

 次は化学です。化学は「小数計算をナメるな!!」です。必ず式を立てたら紙に手を動かして計算し、間違えたら何回もやり直すことを常に心がけていました。そのおかげで受験期後半は一度も小数計算ミスはなかったです。また、物理同様、理解が曖昧な部分はすぐに質問に行き、正しく理解することもとても大切だと思います。

 最後は嫌いだった英語です。英語はとにかく音読をしました。長文、文法、単語全てを声に出して英語のままで理解できるように意識して繰り返し音読をしました。また他の科目よりも感覚が鈍りやすいと思い、少しでも毎日音読するようにしていました。その結果東工大の英語の点数が倍くらいまで伸び、合格に大きくつながったと思います。英語を使う世界を楽しむこと、これが英語力向上の大きな要因であったと感じます。

 以上が勉強のメイン科目の勉強法でしたが、これは僕が実践して上手くいったものなのであくまで参考程度にしていただけるといいと思います。もう一年頑張ると決めたならば早期に自分の勉強スタイルを決め、ゴールまでの道のりを考え、苦しい中にも勉強を楽しめる余裕がある一年にしてほしいと思います。

弘前大学 医学部

一戸 崇直 さん八戸高卒

 弘前大学医学部医学科に進学が決まりました。この一年間、医学科に入学するという目標をあきらめず、頑張って本当に良かったです。

 英・数・物・化は授業の予習や自学自習で分からなくなった箇所を必ず先生に質問しました。その問題をピックアップした間違いノートを作成し、いつでも復習できるようにしていました。先生に質問する時は、とにかく納得するまで質問してみてください。分かったら、先生に自分で整理したものを説明してみて、この考えで合っているのかを聞いてみるのもありかもしれません。この一年間で、自分の成績が確実に上がる方法を見つけることの重要性を学びました。

 私が浪人時の主な勉強場所を紹介します。

①アイーナ4、5、6階。5階は夜8時、4、6階は夜9時30分まで開いています。早めに行かないと、席がなくなります。じろじろ見てくる人がいますが、緊張感が培われて、入試などでしくじらなくなると思います。
②岩手大学図書館。夜9時まで開いています。学生食堂も利用できます。
③駅待合室。アイーナで足りない時、11時過ぎまで使っていました。

 最後に大学合格まで私を支えてくれた全ての人に感謝致します。特に、浪人をする機会をくれ、一人暮らしも許可してくれた家族、どんなに小さな相談にも気さくに乗って、メンタル面もサポートしてくださった担任の田中先生、入学時βクラスだった物理をα1クラスまで上げてくださった吉田副校長先生、本質を学ぶこと、探求心の大切さを教えてくださった化学の櫻先生、どんなに細かい質問にも応対してくださった英語の阿部清光先生、数学の川田先生は感謝をしても足りません。

 弘前大学に入学したあかつきには、青森県で総合診療医として従事するための経験や学習を重ねていきたいと思います。一年間、中ゼミには本当にお世話になりました。ありがとうございました。

長崎大学 医学部

泉澤 文子 さん盛岡第一高卒

 念願の長崎大学医学部医学科、そして防衛医科大学校医学科に合格でき、大変嬉しく思います。そして同時に、これまで熱心に指導をしてくださった先生方や苦楽を共にした仲間たち、長い受験生活を一番近くで支えてくれた家族など多くの方々に対して感謝の気持ちでいっぱいです。

 さて、今こうして合格体験記を読んでいる中ゼミの皆さんは、同輩よりもさらに長い受験生活を送る事を決意した皆さんだと思います。ひとくちに「浪人をする」と言っても、実際に成績が伸びるのか、志望大学に合格できるのか、そんな様々な不安を抱えているのではないでしょうか。一年前のちょうどこの頃、私も全く同じ気持ちでいました。ですが、これからの一年は始まってしまえばあっという間に過ぎてしまいます。だからこそ、この長いようで短い一年間を有意義に過ごすために、皆さんには以下の二つのことに気を付けて勉強してほしいと思います。

 一つ目は、自分の志望大学を早期に決定することです。浪人生であることの最大の強みは、現役生よりも受験生としての経験が豊富であることです。高校範囲の内容は必ず一度は学習しているので、早ければ浪人の決まったその春から過去問に取り組むことができます。自分の志望大学が複数ある場合は、それぞれの過去問を解いてみて自分に合うものを見つけてみるか、既に決まっている場合はとにかく過去問を研究することにたっぷり時間を費やしてみるのもいいかもしれません。参考までに、私は長崎大学、防衛医科大学校(択一式)ともに10年分取り組みました。もちろん途中で出題の傾向が変化することなどもありましたが、経験したからこそ得られる手先の感覚や思考回路が、受験会場でも緊張に負けず力を発揮するために必要不可欠であると実感しました。

 二つ目は、目標をもつことです。国公立大学では、共通テストの後に二次試験が控えています。大学によりますが、共通テストの点数によって足切りが実施されることもあるので、結果によっては出願校の変更を考えなければなりません。実際に私もセンター試験で目標点数を遥かに下回ってしまい、長崎大学は危ないのかもしれない…とまで言われました。センターの次の日からバタバタと私大の資料を集めはじめ、正直勉強どころではなかったのを覚えていますし、精神的にも一番辛かったです。しかし結局どの私大も受験をせずに、前期試験に臨みました。私が前期一本で頑張ろうと思えたのは、長崎大学でしか学ぶことのできない医療に対して、強い憧れを抱き続けていたからでした。だからこそ、その大学に進学してどんな学生生活を送りたいか、将来どんな医師になりたいのかが明確で、どんな受験生よりも「長崎大学に合格したい」という思いは強かったのだと思います。終わりが見えない受験勉強は勉強していてもつまらないし、途中で飽きてしまうと思います。

 ですから自分の中で揺るがない目標を持つことは、モチベーションを保つ上でも大切になってくるのではないかと考えています。

 ここまで私自身の経験を中心に二つの事をお話ししてきましたが、これらはあくまで参考程度にしておいて下さい。これから始まる一年間は、勉強を通して自分と向き合う時間になりますが、どんなに辛くても現実から目を背けず、ひたむきに続ける努力をしてほしいと思います。中ゼミの先生方、そして共に勉強する仲間を信じて頑張ってください。一年後の皆さんの飛躍を願っています。

北海道大学 総合入試理系

猪ノ口 龍太 さん盛岡第一高卒

 無事に国公立大学に合格できて、喜ぶというより安心しています。中ゼミで約一年間勉強し、感じたことを書いていこうと思います。

 私は浪人して勉強する事がつらいと感じた事がなく、すんなりと浪人生活を開始できました。始めの時期で大事なのは試験の失敗を引きずらず、前向きに頑張ることだと思います。

 そして夏期講習が終わった後からですが、この時期から勉強がつらくなる人は僕の周りには多かったと思います。「少しくらいさぼっても・・・」という考えは後々の大きなダメージになりかねません。周りにつられてだらけず、頑張ってきたことが僕の合格の大きな要因だと思います。この時期の頑張りは後期の授業に大きく影響するので耐え抜けば大きな自信になりますよ。

 色々書きましたがセンター試験を無事に終え、満を持して迎えた二次試験の手応えは散々なものでした。間違いなく落ちたと思いましたが結果的に合格できました。先ほども述べましたが、これは「一年間の頑張り」が実を結んだからだと自負しています。

 そうは言っても詰め込みすぎはよくないかと思います。気がのらない時は河原を歩いてリフレッシュすることも大事ですし、友人と雑談するのもありでしょう。

 最後になりますがつらいのは自分達だけではありません。みなさんの親は自分が思っている以上に応援し、そしてとても心配しています。今、合格体験記を書きながら思い出す、プログラム生の友人とテストの点を競い合った日々、合格報告後の家族、友人、先生方の笑顔は僕の失い難い宝物です。

北海道大学 総合入試文系

清野 佑弥 さん黒沢尻北高卒

 浪人生活を第一志望合格という最高の結果で終えられることを嬉しく思います。

 現役の時は秋まで部活をしていて、現役合格はほぼ諦めていて、100点差落ちと惨々な結果でした。ですが後期試験が終わってからすぐ勉強を始め、開講までの1か月はかなり勉強しました。そのおかげで中ゼミで上のクラスの授業を受けることができ、合格にもつながったと思います。最初の数ヵ月が最も大事だと思うので頑張ってください。

 私はこの一年間授業を大事にしました。特に復習は重点的に行いました。一つのことを徹底することが大事だと思ったからです。その分こなせる問題数は少なくなったけど基礎はしっかり固められたと思います。模試は安定していい成績を出せました。しかしそれは油断にもつながりました。秋頃は勉強量が減ってしまいました。ここでもっと勉強していたらもっと楽に合格できたのではと思ってしまいます。それでも合格できたのは最初の頃に学力の貯金をできたからだと思います。試験が近づいてくるとかなり不安になりました。不安を紛らわすためにはひたすら勉強するしかありませんでした。一年を通しても勉強できている時期が楽でした。2回目のセンター試験はかなり緊張しました。ですが1科目めが終わると緊張は解けました。数学Ⅰ・Aが難しくて心が折れそうになったけど、Ⅱ・Bでは切り替え、合計ではいつもぐらいの点数が取れました。センター試験後は少し燃え尽きました。それでも受かるために必要な勉強は最低限やりました。二次試験は凡ミスが多く、正直落ちたと思いました。合格発表までの二週間弱は浪人生活で一番長く感じました。そして合格発表の日、私の番号はありました。思わず涙が込み上げてきました。色々我慢して勉強に打ち込んだ中ゼミでの一年が報われた気がしました。頑張った分だけ合格の喜びも大きいのだと思います。

 中ゼミでの生活は志望校合格という同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨し、とても楽しかったです。それ以上に人間として成長できた一年だったと思います。浪人して本当に良かったです。

北海道大学 理学部

冨手 響介 さん盛岡第一高卒

 初めに、この場を借りてこの一年間お世話になりました中ゼミの先生方、そして、高校時代にご指導いただいた先生方に感謝の意を伝えたいと思います。本当にありがとうございました。

 最初に断っておきますが、もし、北海道大学後期試験を受けようと考えている人がいたとしても、その点に関しては僕の文章は参考にならないかと思います。後述の通り、今年度の入試は例年と異なる形だったためです。

 さて、令和二年度の北海道大学の後期日程の試験は「新型コロナウイルス感染症」の影響で中止となり、合否判定はセンター試験の結果によってのみ行われました。当初は仕方がないと思いましたが、中止という決断に踏み切った理由が北海道大学職員の新型コロナウイルス感染だということを知り、何ともいえない複雑な気持ちになりました。中には羨ましいと思う人もいるでしょうが、僕はセンター試験の国語で大失敗してしまったため、僕にとってはこの状況は決して望ましいものではありませんでした。幸いにも自分に有利な傾斜配点だったので合格することができましたが、合格を知った時は喜びよりも安堵感が強かったです。

 僕は正直に言えば、北海道大学の対策はあまりしていません。前期日程の試験の終了後に過去問を二年分解いただけです。早稲田大学先進理工学部化学生命化学科にも合格しましたが、こちらも英語以外は試験前日に赤本を開いたりしたくらいで、しかも歴史に残るようなひどい出題ミスがあったため、自分の実力で合格したのか疑問が残ります。ちなみに「大学への数学」では「決定的にいつもと違うのは、練り足らない問題が多いこと。出題ミスがあった上に、疑問符をつけたくなるような対応では、受験生はたまったものではありません」と酷評しています。

 後期に北海道大学、私大は早稲田大学を受験し、前期には東京大学を受験しました。昨年度は合計273点、今年度は合計310点だったので、不合格ではありましたが一段と成長できたかと思います。

以下は今年に東大を受験した所感と自分の勉強法です。不合格者の戯言ですが、東大受験を検討している方は是非ご覧になってください。

国語:現代文には自信があったので、自学習では古文単語を中心にやりました。直前期には須藤先生に添削していただきました。個人的には、東大国語は間違ったことを書かずに可能な限り小さな文字で詰め込めば何とかなると思っていたので、国語の時だけは0.3㎜のシャープペンシルを使っていました。今年度の問題はいずれの文章も読み易く、解くのは然程難しくはなかったです。

英語:自学習では鉄壁とポレポレのみやりました。どちらもカバーを外すととてもキュートなデザインになっているのでオススメです。本番では第2問(A)の自由英作文で、非論理的な文章を書いてしまいました。あれは確実に0点だと思います。リスニングでは、大して速くはありませんでしたが、よくリスニング教材で聞くような僕等が聞き取りやすい英語ではなく、ニュースで聞くような英語でした。

数学:過去問を15年分だけやりました。最も未練が残る教科です。僕は計算速度が遅く、計算ミスも多い凡そ理系に相応しくない学生でした。本番では、川田先生に計算ミスに関して何度も忠告されていたこともあり、恐らく1つもなかったと思います。試験終了直後は、比較的良く解けている印象だったのですが、再現答案を作成して、その認識は破壊されました。さらに、易問だったらしい第2問は少し手をつけ解けないと判断し飛ばしてしまったので、そこでもさらに差が広がってしまったと思います。

物理:僕は物理が苦手だったので、名問の森や物理のエッセンスを中心に学習し、それ以上のレベルには手を出しませんでした。物理が得意な人はよく新・物理入門を薦めてくるのですが、僕は読んでもよく分かりませんでした。本番の記憶はありません。あまりにも解けなかったので、防衛機制が働いたと思われます。

化学:授業中心で、自学習ではそれほど化学には時間を割きませんでした。櫻先生の授業では、各反応の反応機構について体系的に学ぶことでより理解が深まりました。本番は、物理と同じくほとんど記憶はないのですが、第1問が2部構成だったのに驚いたのだけは覚えています。

サクセスボイス